国指定重要文化財 1858年建立(安政5年)
釈 迦 堂
前の本堂で現在は[厄除け祈願所]として使用しています。
釈迦堂は数多くの見どころがある江戸時代後期に建立された旧本堂
釈迦堂の回廊を、一回りすれば
二十四孝(嶋村俊表)や五百羅漢(松本良山)の彫刻は、
素晴らしいの一言。是非じっくりと見ていただきたい。
その他釈迦堂の外回りの彫刻は、彫り物師後藤縫之助の作である。
二 十 四 孝
八代目 嶋村俊表作
五 百 羅 漢
松本良山作
五百羅漢について
十年の歳月をかけて仏師松本良山が絵師狩野一信の下絵をもとに
厚さ30cm程の板八枚に羅漢を彫ったと言われています。
8枚の板に500人の羅漢 一枚には60数名の羅漢が・・・・・
友人や知人に似た羅漢が必ずいると言われています。
地元成田では昭和の初め頃迄は、父親の法要などの時
この五百羅漢の中から父に似た羅漢を探し
亡くなった父を偲んだようです。
2014年8月のお盆に30数名の親族が、五百羅漢を眺めていました。
不思議に思い昔の風習をお話しすると、
「私達はその為にここに来ています」と
成田の旧家では今でも、この風習は続いているようです。
心の中を見せている羅漢
これは[羅睺羅尊者]でしょうか?
「俺の心の中には仏が」そのように
言っているのでしょうか?探してみよう!
大慈寺(だいじじ) 熊本市
三面の羅漢
興福寺の阿修羅の様に三面ですね
いずれも東側の松本法橋良山の刻銘がある
堂羽目にあります。
萬福寺(まんぷくじ) 京都府宇治市
羅睺羅尊者像
羅睺羅(らごら)は、釈迦の実子で、釈迦十大弟子の一人です。
また十六羅漢のスーパースターです。
羅睺羅は、イケメンではなく又,父親と顔が似てなく、醜男(ブ男)で
お釈迦様の息子ではないと言われていました。
それならばと、顔は似てなくても、心のなかには仏がいますと言って
胸から仏を出して見せたという伝説があります。
五百羅漢の下絵を描いた狩野一信は、この伝説の
ラゴラ尊者を表現したかったのでしょうか?
堂内には自由に入る事ができます。
靴と帽子を脱ぐこと。
大きな声を出さないこと。見学でなくお参りの心で静かに。
但し厄除け祈願が行われている時は堂内に入る事は控えましょう。
厄除け祈願は約10分で終了します、終わってから入りましょう。
釈迦堂内の見どころと御祈り
天井に描かれている「天女」と「雲竜」の絵 [絵師 狩野一信作]
欄間の「桐と鳳凰」「松と孔雀」の彫刻 [彫工 藤原政義作]
それから前に進み左から右へ即ち千手観音菩薩から弥勒菩薩まで
静かに手を合わせて拝みましょう。
*****釈迦堂内の欄間彫刻*****
藤原政義作
孔雀・鳳凰ともに阿形・吽形があるのもご覧下さい。
天井には雲龍と天女の絵
雲龍と天女は技法が異なるので、よく見てほしい。
金地着色の板絵「天女図」 水墨銀泥の「雲龍図」
雲 龍(釈迦堂中央天井)
雲龍図の左右天井に描かれている金地着色の板絵「天女図」
狩野一信作
普賢菩薩 釈迦如来 文殊菩薩
脇 侍 釈 迦 三 尊 脇 侍
千手観音菩薩 両サイドには 弥勒菩薩
御 真 言
千手観音菩薩 オン バザラ ダラマ キリク ソワカ
普賢菩薩 オン サンマヤ サトバン
釈迦如来 ノウマク サンマンダ ボダナン バク
文殊菩薩 オン アラハシャ ノウ
弥勒菩薩 オン マイタレイヤ ソワカ
釈迦堂の四菩薩は大仏師松久宗琳氏の作
1991年(平成3年)造仏
***こんなところも見てほしい***
千手観音菩薩は十一面で手は42本
普賢菩薩は[象]・文殊菩薩は[獅子]に乗っています。
インドでは象は獅子とともに、最も優れた動物とされています。又仏陀の母マーヤは、
6本の牙をもつ白い象が胎内に入る夢を見て懐妊したと云われています。
この様なことから、両菩薩は象と獅子に乗っているのでしょうか?
白い象の六本の牙は布施・持戒・忍辱・精神・禅定・智慧の行いを現わします。
中尊釈迦如来の印相は[触地印]である。
成田山釈迦堂の釈迦如来は触地印を結んでいるが、
「触地印」を結んでいる釈迦如来の仏像は非常に少ない。
釈迦が悟りを開こうとした時、悪魔が邪魔をしてきたその時、
地面を触り地の神が加勢して悪魔を退散させたという逸話があります。
千手観音菩薩
有名な真数千手観音像
奈良・唐招提寺(とうしょうだいじ)大阪・葛井寺(ふじいでら) 京都・寿寶寺(じゅほうじ)には
1,000本の手がある千手観音菩薩像があります。
このほかの寺院にも真数千手観音像はあります。例えば三十三間堂
大阪府葛井寺の座像(国宝)
実際には1041本の手があります。
奈良時代の作 日本最古
京都寿宝寺立像(重文)
天平時代【木芯乾漆像】
奈良・唐招提寺の千手観音菩薩 (国宝)
JR東海のCMより
奈良時代末期の【木心乾漆像】で日本最古と言われています。
像高は約536cmの巨像で現在は大手42本、小手911本合計953本の手を持っています。
釈迦堂の裏仏
裏仏の大日如来は智拳印を結んでいます。
ご真言は「オン バサラダドバン」 金剛界
三鈷の松
あなただけにお教えするとっておき情報
和歌山県の金剛峯寺(こんごうぶじ)にある[三鈷の松]は有名ですが、
ここ成田山にも三鈷の松(三葉の松)があります。
↓ 釈迦堂裏 ↓
二葉の松葉と三葉の松葉
三鈷の松(三葉の松)
これは五葉松
高野山の三鈷の松
金属類回収令で供出して台座のみとなった為、ここ釈迦堂左側に移設したようです。
上部には天水桶があったと思われます。
涅槃像
涅 槃 像(涅槃仏・寝釈迦像)
ワット・ポー(バンコク) 南蔵院「福岡県」
仏教の三大聖樹
仏教の三大聖樹
(仏教三霊樹)
無 憂 樹 (釈迦誕生) 4月 8日
印度沙羅の樹 (釈迦入滅) 2月15日
印度菩提樹 (釈迦悟り)12月 8日
いずれの木も耐寒性が無い為、日本では植物園等でしか見られないでしょう。
詳しくは下記ファイルをダウンロードして下さい。
無 憂 樹
沙羅双樹
三笠宮崇仁親王殿下・百合子妃殿下お手植え
娑羅双樹(シャラソウジュ)娑羅樹(シャラノキ)と呼ばれる植物がありますが、
これは全く別の種類の植物で、和名「ナツツバキ(夏椿)」と呼ばれる木です。
日本の寺院では、沙羅の樹の代用として、よく植えられています。
インドの沙羅樹は耐寒性が無い為、釈迦堂前の写真の木も紗羅双樹(夏椿)です。
仏陀が入滅された時に、二本の沙羅の樹の間に
伏せられた事から紗羅双樹と呼ばれています。
毎年六月頃には、白い花が咲きます。(和名 夏椿)
インドの紗羅双樹と花
日本の紗羅双樹(夏椿)とは、花も葉も違いますね。
インド菩提樹
福来みかん(ふくれみかん)
日本書紀にも記されているほどの古い歴史を持つ筑波山の福来みかんは
今つくばの特産品地域おこしのミカンとして売り出しているようです。
写真を良く見ると下の方には、ミカンがありません。手が届く位置のミカンは
名前にあやかり福が来ますようにと参拝者が持って行ったようです。