奥の院

奥 の 院  

奥の院 入口

奥の院 出口



開扉された奥の院

奥の院は 祇園会と祇園祭の期間中開扉されます。

祇園祭は祇園会(7月7・8・9日)の直近の 金・土・日曜日に

実施するため、毎年日程は異なります。

開扉されている期間は洞窟内に入る事が出来ます。

ロウソクを購入し洞窟に入り大日如来に手を合わせましょう。

ロウソクを持ち帰る場合は袋も貰いましょう。

お光をともした後,ロウソクを持ち帰る方も多くいます。

 

成田山祇園会は御本尊不動明王の本地仏である成田山奥之院大日如来の祭礼で、 

五穀豊穣・災難消除・万民豊楽を祈る夏祭りです。毎年7月7・8・9日)

 

            
            

入り口扉から11メートル先に奉安されている大日如来

大日如来  (印相は智拳印)

御真言  オン アビラウンケン バサラ ダドバン

 

板 石 塔 婆 「千葉県指定重要文化財」

入口上部の[奥之院]の文字は中興第十五世石川照勤大僧正揮毫 

 扉の両サイドには[板石塔婆]が見えます。

 

板碑は板石塔婆とも呼ばれ

鎌倉時代から室町時代にかけて盛んに造立されました。

 左側板石塔婆 

右側板石塔婆


阿弥陀如来

勢至菩薩(サク) 観音菩薩(サ)

 阿弥陀三尊の種子 

阿弥陀如来の種子


      種子(じゅし)とは=仏を表す梵字

          阿弥陀如来=キリ-ク   勢至菩薩=サク   観音菩薩=サ

1336年8月26日(延元元年)建立

南北朝時代初期

下総型板碑 粘板岩

阿弥陀三尊の種子(しゅじ)

上部に天蓋

下部に蓮華座

その下に一対の花瓶が陰刻されている

[一対の宝瓶(ほうびょう)蓮華の供花]

1394年8月彼岸(明徳5年)建立

室町時代初期

下総型板碑 粘板岩

阿弥陀如来の種子(しゅじ)

上部に天蓋

下部に蓮華座が陰刻されている。

仏具の場合は花瓶(けびょう)と読む 


            扉左側板碑

     刻銘:(造立趣旨)

    「右志者為、過去慈父、道禅生霊、百ケ日忌、辰奉訪彼、亡魂仍出、離生死往、生極楽乃、 

         至法界平、等利益也、延元々年(1336丙子(ひのえね)、八月廿六日、孝子敬白」

       亡き父 道禅百ケ日忌に、極楽往生と法界平等利益を願って、道禅の子供により

    造立(ぞうりゅう)されたようです。

向かって右側、輪郭外に刻まれた 往生本縁経、四句の偈(げ)

   偈(げ) 一念弥陀仏(いちねんみだぶつ)

        即滅無量罪(そくめつむりょうざい)

        現受無比楽(げんじゅむひらく)

         後生清浄土(ごしょうしょうじょうど)     

    意味 [ 一たび阿弥陀仏を念ずれば、ただちに無量の罪を滅ぼし、

  まのあたりに無比の楽を受け、後生は浄土に生まれん ]

向かって左側、輪郭外に刻まれた偈(げ)

   偈(げ)   若有善男子(にゃくうぜんなんし)

         造立卒塔婆(ぞうりゅうそとば)

         其人之功徳(ごにんしくどく)

         佛智不可量(ぶっちふかりょう)

    意味 [ 若し善き男子ありて、卒塔婆を造立するならば、

     其の人この功徳によりて、仏の智慧を得んこと量るべからず ]

         扉右側板碑

             右側刻銘:「右志趣者為逆修善根、契約人々等建立」

      左側刻銘:「自性之石塔欲領七分全得功徳、乃至法界平等利益」

      生前に自分達の為、死後の供養を行う逆修塔として造立された。

七分全得

左側に刻まれている「七分全得(しちぶんぜんとく)」とは、

死者の追善供養をした場合、

供養した人が受け取る福は、

福を七分として六分を受け、一分は死者が受ける。

自分の為に逆修供養をすれば、

死者の一分も受け取ることができる。

すなわち「七分全得」となる。

         台座の下には

左「八月彼岸」中央「施主等敬白」右「明徳五年甲戌」と刻む

                      

阿弥陀三尊とは

  阿弥陀如来(種子・キリーク)を中尊とし、

  左脇侍(向かって右)の観音菩薩(種子・サ)と、

  右脇侍(向かって左の勢至菩薩(種子・サク)を配する三尊形式である。

板碑の分類  

  形状や石材、分布地域によって武蔵型・下総型・相模型などに分類される。

  下総型とは粘板岩や筑波周辺の黒雲母片岩、白亜紀砂岩の銚子石製の板碑

  武蔵型とは秩父・長瀞地方で産出の緑泥片岩製の板碑

  相模型とは安山岩を使用した相模型板碑

(げ)

  仏教では経典や論書のなかに現れる韻文の部分をいい,ときには仏陀や

     菩薩をたたえる詩句をもいう。 

種子しゅじ)とは

  密教において、仏尊を象徴する一音節の呪文『真言』。

  種子真言(しゅじしんごん)ともいう。

  また、これを梵字で表記したものは種子字(しゅじじ)と言う。

  又種字とも略称し、一般にはこの「種字」という表記が多用される。