国指定重要文化財 1712年建立
三 重 塔
日光東照宮の五重塔と成田山の三重塔が
日本で一番絢爛豪華であろう。
是非見ていただきたいのは、二軒の板垂木である。
厚さ20cm以上ある板に雲水紋が彫られています、
他の社寺では見ることが出来ない見事な造りである。
三重塔心柱の墨書きには、下記の様に書かれています。
棟梁は「櫻井瀬左衛門」の宮大工としての、素晴らしい技術
棟 梁 常州那珂郡羽黒村 桜井瀬左衛門
次棟梁 同国同郡 中野左五兵衛
同国茨城郡笠間 藤田孫平次
竜の尾垂木彫刻 下総国武射郡堺村 伊藤金右衛門
彫物師 江戸○○住 無関圓鉄 羽目板「十六羅漢図」彫刻
法起寺(ほっきじ)の三重塔(国宝)が現存最古の三重塔である。
創建は慶雲3年(708年)
板垂木
見事な雲水紋が彫られている、二軒の板垂木である。
江戸時代の宮大工の素晴らしい技術が見られます。
十六羅漢
三重塔には東西南北各面扉両サイド脇間の板壁には
十六羅漢の彫刻がはめ込まれています。
一面には二人の羅漢がいます。よって八面で十六人の羅漢です。
名人二代目嶋村圓鉄の作
三重塔の十六羅漢
嶋村圓鉄作
十六羅漢とは釈迦の弟子で特に優れた代表的な16人の弟子
三重塔の一層目は龍であるが、やはり阿形と吽形があります。
二層目の麒麟も三層目の漠にも、勿論阿形と吽形があります。
成田山三重塔扉上部の彫刻
修復前 の写真 修理後の写真(2017年6月撮影)
日光陽明門の琴高仙人
相 輪
三重塔の[相輪]
相輪は七つの部分から出来ています。
上から [宝珠・竜車・水煙・宝輪・請花・伏鉢・露盤]
宝輪は九つの輪で出来ている為、九輪とも呼ばれている。
九輪は五智如来と四菩薩(5+4=9)を表わしています。
水煙は火炎ですが、火を嫌う事からわざわざ水煙と云う。
最上部の宝珠には仏舎利(お釈迦様の遺骨)を納めます。
五重塔や三重塔は、お墓である。
インドのお墓ストゥーパを中国人が卒塔婆と音訳した。
これが塔婆・塔となり五輪塔や五重塔・三重塔と変化していった。
私達がお墓に持って行く「塔婆」は良く見ると五重塔ですね。
五智如来とは大日如来・阿弥陀如来・宝生如来・阿閦如来・不空成就如来
四菩薩とは(密教)普賢菩薩・文殊菩薩・観音菩薩・弥勒菩薩
五智如来
三重塔内に奉安されている五智如来(貴重な写真です。許可を頂き転写)
三重塔内に奉安されている五智如来像
阿弥陀如来・・・・・不空成就如来
宝生如来・・・・大日如来・・・・阿閦如来
通常見ることが出来ませんが、sausalitoさんのブログより転写(許可済)
十三重塔
石造の十三重塔
成田山の仁王門左側にある石造の十三重塔
木造十三重塔
十三重塔
木造の十三重塔は奈良県桜井市の談山神社(たんざんじんじゃ)にあります。
日本では現存している三重塔はこの1基のみです
写真はJR東海のCMより
成田山の三重塔と日光東照宮の五重塔
成田山の三重塔
日光東照宮の五重塔
一層目には十二支の彫刻が施されています。
日光東照宮の五重塔[心柱]
心柱は懸垂式(吊り下げ式)で地盤より約10cm浮いた状態になっています。
振り子のようになっている為、地震に対しての耐震構造とも言われています。
江戸時代以前に建立された三重塔(105基)・五重塔(22基)は、
火災や台風による倒壊はありますが、地震による倒壊は一棟もありません。